結論: バイブコーディングの始め方は、①作りたいものを決める → ②ツールを1つ選ぶ → ③日本語で指示を出す → ④動作を確認して修正を繰り返す → ⑤公開する、の5ステップです。プログラミング経験は不要ですが、「AIに何をどう伝えるか」を考える力は必要になります。
私は会計業界でDX推進を担当している30代です。プログラミング経験はゼロ。正直に言うと、今もコードは読めません。
「バイブコーディングに興味はあるけど、何から手をつければいいか分からない」。この記事を開いた方は、きっとそう感じているのではないでしょうか。
私自身、1年ほど前にまったく同じ状態でした。プログラミングの経験もなく、ターミナル(黒い画面)すら触ったことがない。それでもバイブコーディングを始めて、今では10人規模の会計事務所で使われる業務システムを複数開発しています。
この記事では、私が実際に踏んだ手順を時系列で振り返りながら、バイブコーディングの始め方を5つのステップで解説します。「エンジニア向けの説明記事はよく見るけど、本当に未経験から始めた人の話が聞きたい」という方に向けて書きました。
バイブコーディングとは?の記事もあわせて読むと、全体像がつかみやすくなります。
ステップ1:「何を作りたいか」を決める——ここが一番大事だった
バイブコーディングを始めるとき、多くの解説記事は「まずツールを選びましょう」と書いています。でも私の実体験では、ツール選びより前にやるべきことがありました。「何を作りたいか」を具体的に決めることです。
なぜ目的が先なのか
AIに指示を出すとき、「何かアプリを作って」では何も動きません。AIは具体的な指示ほど精度の高い答えを返してくれます。
私の場合、最初に作りたかったのは「顧問先の情報をExcelではなくWebで管理できるシステム」でした。もっと具体的に言うと、「会社名・担当者名・契約内容・次回面談日を登録して、検索できるWebアプリ」です。
初心者が最初に作るべきもの
正直に言うと、最初からこの規模のシステムに取り組んだのは少し無謀でした。振り返れば、もう少し小さいものから始めた方がスムーズだったと思います。
おすすめの最初の一歩は、自分が日常で「ちょっと面倒だな」と感じている作業の自動化です。たとえば「毎週の定例報告テンプレートを自動生成するツール」とか「特定のフォルダ内のファイル名を一括で変更するスクリプト」とか。小さく始めて、AIとのやり取りのコツをつかむのが近道です。
ステップ2:ツールを1つだけ選ぶ
目的が決まったら、使うツールを選びます。ここで大事なのは「1つだけ」に絞ることです。
選択肢が多すぎて迷った話
バイブコーディングのツールは、2026年3月時点でかなり増えています。Claude Code、Cursor、Windsurf、Lovable、Replit、Google Antigravityなど、正直どれを使えばいいのか分かりませんでした。
私は3日ほど比較記事を読んだあげく、結局Claude Codeを選びました。決め手は「日本語の理解力が高い」という点と、「ターミナルから直接操作できるので余計なGUIに惑わされない」という点です。
ただ、今振り返ると、完全な初心者にはLovableやReplitのようなブラウザだけで完結するツールの方が始めやすいかもしれません。Claude Codeはターミナル操作が前提なので、最初のインストールでつまずく可能性があります。
非エンジニア視点でのツール選びの基準
私の経験から言うと、初心者がツールを選ぶとき重視すべきポイントは3つです。
1つ目は、環境構築の手軽さ。「Node.jsをインストールして、npmで〇〇を入れて」という手順が多いツールほど、最初のハードルが高くなります。2つ目は、日本語での指示がどの程度通じるか。英語が得意でないなら、これは重要です。3つ目は、無料プランで試せるかどうか。お金を払う前に、自分に合うか確認したいですよね。
各ツールの詳しい比較はバイブコーディングのおすすめツールの記事で解説しています。
ステップ3:最初のプロンプトを書く——ここでAIとの会話が始まる
ツールの準備ができたら、いよいよAIに指示を出します。この「最初のプロンプト(指示文)」が、バイブコーディングの核心です。
最初に書いたプロンプトの失敗例
私が最初にAIに送った指示はこうでした。
「顧問先管理システムを作ってください」
たった一文です。結果、AIは確かに何かを作ってくれましたが、自分が想像していたものとはまるで違うものが出来上がりました。必要な項目が足りない、画面のレイアウトが使いにくい、検索機能がない。
ここで学んだのは、AIは「行間を読んでくれない」ということです。人間同士の会話では「顧問先管理って言えば、このくらいの機能は当然あるよね」と暗黙の了解が成り立ちます。でもAIにはそれが通じません。
うまくいったプロンプトの書き方
失敗を経て、私が見つけたのは「5W1Hを意識して書く」というシンプルなコツでした。
具体的には、「誰が使うのか」「何を管理するのか」「どんな画面が必要か」「どんな操作ができればいいのか」を1つずつ伝えます。
たとえばこんな感じです。
10人規模の会計事務所で使う、顧問先管理Webアプリを作ってください。管理項目は会社名、担当者名、電話番号、契約プラン(月次・決算のみ・スポット)、次回面談予定日です。一覧画面で会社名の部分一致検索ができるようにしてください。
これだけで、AIの出力の精度が劇的に上がりました。最初の一文との差は歴然です。
バイブコーディングの要件定義については、別記事で詳しく掘り下げています。
ステップ4:動かして、直して、また動かす——この繰り返しが本体
プロンプトを送ったあとは、AIが生成したコードを実行し、動作を確認します。そして「ここを直して」「この機能を追加して」と修正指示を出す。これを何度も繰り返すのが、バイブコーディングの日常です。
エラーとの向き合い方
正直に告白すると、最初の1週間はエラーとの戦いでした。AIが生成したコードを実行すると、赤い文字でエラーメッセージが表示される。何が書いてあるか分からない。
でも、ここで覚えた対処法があります。エラーメッセージをそのままAIにコピペして「このエラーを直してください」と伝えるだけです。驚くほど高い確率で、AIが原因を特定して修正コードを出してくれます。
コードが読めない私でも、「エラーが出る → AIに投げる → 修正される → また動かす」というサイクルを回すことで、だいたいのエラーは解決できました。
ただし、同じエラーが5回以上ループするときは要注意です。AIが根本原因を見誤っていて、表面的な修正を繰り返しているパターンがあります。そういうときは、一歩引いて「今やろうとしていることを別のアプローチで実現できませんか?」と聞くのが効果的でした。
「完成」の基準をどこに置くか
バイブコーディングは、延々と改善を続けられてしまうのが落とし穴です。「ここの色を変えたい」「この機能も追加したい」とキリがなくなります。
私の場合は「最低限、業務で使える状態になったら一旦止める」というルールを決めました。顧問先管理ポータルは、最初のバージョンでは検索機能と登録機能だけ。見た目もシンプルなものでした。でも、それだけで十分にExcel管理からの脱却は実現できたのです。
ステップ5:公開する——デプロイという最後のハードル
アプリが動くようになったら、次は「公開」です。技術的には「デプロイ」と呼びます。自分のパソコンだけで動いている状態から、他の人もアクセスできる状態にする作業です。
Vercelとの出会い
私が使ったのはVercelというサービスです。GitHubにコードを上げると、自動でインターネット上に公開してくれます。
この「GitHubにコードを上げる」という作業も、最初はまったく意味が分かりませんでした。でもAIに「このプロジェクトをGitHubにアップロードしてVercelでデプロイする手順を教えて」と聞いたら、1ステップずつ教えてくれました。
実際にかかった時間は約2時間。途中で何度かつまずきましたが、そのたびにAIに質問を投げることで乗り越えられました。
デプロイ後に起きた問題
公開した直後、同僚から「ログインできない」と報告が来ました。原因は、環境変数(データベースの接続情報など、公開してはいけない設定値)の設定漏れでした。
ローカル(自分のパソコン)では動いていたのに、本番環境では動かない。これはバイブコーディングあるあるです。AIが生成したコードは、ローカル環境に依存した設定になっていることがあります。
この経験から、デプロイ前には「本番環境で動くために必要な設定をすべて教えて」とAIに確認するようにしています。
よくある質問(FAQ)
Q. バイブコーディングを始めるのに、どのくらいの費用がかかりますか?
最低限必要なのはAIツールの利用料のみです。たとえばClaude Codeを使う場合、Claude Proプラン(月額約3,000円)から始められます。Lovableは無料プランでも試せます。デプロイ先のVercelやSupabase(データベース)も無料プランがあるので、月3,000〜5,000円程度でスタートできます。
Q. 1つのアプリを作るのにどのくらいの時間がかかりますか?
私の場合、最初の顧問先管理ポータルは約2週間で基本機能が完成しました。ただし、これは毎日2〜3時間を使っての話です。単純なWebページやツールであれば、1日で形になることもあります。初めてならまず小さいものから着手して、2〜3日で完成する規模のものがおすすめです。
Q. 途中で挫折しそうになったとき、どうしましたか?
正直に言うと、何度も「もう無理だ」と思いました。特にエラーが連続して解決できないとき。そういうときは、一晩寝かせてから翌日に新しいチャットセッションで「今の状況を整理して、問題を特定してください」とAIに投げ直していました。意外と、新しいセッションでゼロから説明し直すと解決することが多いです。
まとめ
バイブコーディングの始め方を5ステップで振り返りました。
1つ目は、ツール選びの前に「何を作るか」を具体的に決めること。2つ目は、ツールは1つに絞って迷わないこと。3つ目は、AIへの指示は「行間を読んでもらう」前提を捨て、具体的に書くこと。
プログラミングの経験がなくても、バイブコーディングは始められます。ただし「AIに任せれば全自動」ではなく、AIとの対話を粘り強く繰り返す覚悟は必要です。
この記事が、あなたの最初の一歩のきっかけになれば嬉しいです。

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